橋本病の鍼灸
女性 39歳
長年、肩こり、生理痛、冷えに悩まされ続けていました。
又季節の変わり目にはかぜをひきやすく、一ヶ月ぐらいは薬を飲んでも治りませんでした。鍼灸院に通う事になったきかけは、実はぎっく腰です。
ぎっくり腰を治してもらうつもりで治療を受けました。ところが先生は腰以外の本当に体の悪い所を次々と指摘し、そこの治療も行うと長年の悩みであった肩こり、生理痛、冷えがびっくりするほど気にならなくなりました。ぎっくり腰も冷えからくるものだったようで、良くなりました。鍼灸は表面的な所の治療のみでなく、体の中の本当の原因から治していくものなんだと実感しました。そして今は虚弱体質の治療に至っています。かぜをひきやすかったのもなくなりました。まだ、ちょっと調子がおかしいなと思った時、すぐに先生に相談し治療を受けることで大事に至らず、体調を崩しにくくなりました。橋本病もホルモンバランスが乱れることなく、目立った症状も出てきていません。
薬のみでは効果がなくどうしていいのか全く分からなかった症状が驚くほど良くなり、体質だから治りにくいと思っていたことがみるみる治っていく、先生の鍼灸には本当に驚かされ、また感謝しております。日々のケアのあとも下さり!頼りになります。
東洋医学の視点
橋本病は自己免疫疾患の一つで、抗体が自分の甲状腺の細胞を攻撃することで慢性的な炎症を引き起こす甲状腺機能低下症の代表疾患であり、バセドウ病とは真反対の病気です。症状としては新陳代謝が低下するために疲労倦怠感・冷え・声がれ・体重増加、また徐脈や息切れ・動悸・浮腫など心肥大など循環器系の症状も現わしやすい。この方も平素から身体が冷えやすく、手足に汗をかくので余計に冷え、冬場などはよく霜焼けになっていた。身体がとにかく冷えるためかギックリ腰にもなりやすく、とにかく虚弱体質であった。
お身体を拝見すると、心臓の裏の背中あたりが赤く皮膚が荒れていて、触るとくすぐったがるなど過敏な感じがあった。また舌の色も大変赤く、よく口内炎やびらんなどになるとの事だった。これは東洋医学的には心臓に負担があるサインである。また橋本病は喉の辺りに変調を起こす疾患である。東洋医学では腎に変調があると喉や腰に症状が出やすいことから、治療は「心臓と腎臓」を整えることを中心とした。一年くらい経った頃から霜焼けができにくくなり、舌もあまり荒れなくなった。ただやはり疲れやすいのと冷えやすいので治療を定期的に行うことで、今ではハイキングが趣味となり、更には冬山登山も楽しんでいるとのことである。