なぜ鍼と灸を使うのか

「棘に刺さる、火傷を負う」どんな生命といえど最も忌み嫌う刺激。それは原始生物から高等生物に至っても変わりません。長い進化の過程を経ても私達の脳には原始的に異物が体内に刺さる、火傷することを危険信号だと捉えることに変わりはありません。皆さんが鍼灸治療に対し一様に怖いと認識されるのもその為です。しかしそんな刺激である「鍼と灸」を何故あえて使うのか。実はそこに鍼灸の神秘と秘密があるだと思います。

私たちの脳の最も深い部分には生命維持を担う古いシステムがあります。そしてその上で私達人間は知性という優れた精神活動を行っております。しかし日々を生きて行く中で私達は様々なストレスを抱えることになります。脳の精神活動が過剰だと、逆に脳の深層にある生命維持の部分に影響を与え、免疫等や自動調節機能が上手く働かなくなった結果、病気が発症すると思われます。一方で鍼や灸による刺激もある意味ではストレスです。それも生命維持に関わるストレスです。しかし鍼や灸の刺激を加えると脳のシステムで混乱・反射・自動調整等が起こり、病気な状態が改善されたり身体に対し何らかの変化を与えているのではないかと考えられます。それは恐らく単純的なものでは無く、意識的領域と無意識的領域にまたがったかなり複雑な次元の反射を起こしているのではないかと思われます。あまりにも多次元な現象のため、昔の人はそれを「氣」という一言に集約してしまったのだと思います。

パソコンには詳しくありませんが、OSのあたりの何かを直接書き換える。鍼と灸にはそんな作用があるのではないかと感じます。

 

 

横浜関内・みなとみらいの王漢方鍼灸院